エンジニアが世界を変える!

2社の経験を活かし、プログラミング好きなエンジニアにとって最高の環境を創る

株式会社モバイルファクトリー
執行役員兼システム開発部部長
木村 岳文(きむらたけふみ)氏
<経歴>
1977年生まれ。1999年に専門学校卒業後、株式会社クレイフィッシュに就職し、サーバの設定などを行うコントロールパネルの制作などを行う。2年半後-転職、銀行、コンビニ、スポーツクラブなどのWebサイトの受託構築の業務を経て、2003年11月、株式会社モバイルファクトリー入社。現執行役員兼システム開発部部長。

小さい頃から“何かを創り出すこと”が楽しかった

Q.現在、モバイルファクトリーでは執行役員を務められていますが、小さい頃から社会人になる前までの木村さんを教えてください。

小学5年生の時、親の仕事の関係でパソコンが自宅に設置されました。うちではゲーム機は禁止されていたので、ワープロで文字を打って遊んだり、雑誌の通りにプログラミングを打ち込んでゲームを作ったりしていました。

その後、高校では美術部に入りました。とはいっても絵は得意ではなかったので、先輩に絵を描いてもらい、僕はプログラミングを担当して、ゲームを作っていました。RPGを作成するソフトを使って、RPGではなくアクション要素やパズル要素のあるゲームを作っていましたね。この頃から、漠然と「いずれ何かを創り出すことを仕事にしたい」と考えていました。

Q.本格的にプログラミングを始めることになったきっかけを教えてください。

mob_photo1専門学校の情報処理科に進学し、そこで出会った先生の課題が特に楽しかったんですよ。先生が出す課題を解くプログラムを書き、書き終わった後はなぜそういうプログラムにしたかを説明しなければならないというものでした。最初こそ再提出になっていましたが、何度も作るうちにコツが分かってきて、最終的には一度で完成できるようになりました。結局、最後まで作り上げたのは僕を含めて100人中3人だけだったんです。

その頃、インターネットが流行り始めており、僕も自分でドメインを取ってWebサイトを作りました。必要な機能は、最初は既存のものをダウンロードして使っていたのですが、やがて自分で作るようになりました。掲示板のシステム、チャットシステムやメールフォームなどを、フリーウェアやシェアウェアとして公開していましたね。夢中になって、寒い部屋で手袋をしながら朝の4時までかかって作り上げたこともあります。

“エンジニアとして働く環境”を深く考えされられた二社の経験

Q.就職活動の様子と、一社目に入った理由を教えてください。

就職活動は、それほどしませんでした。最初は地元の秋田県で就職しようとして、7月に地元の開発会社を受けたのですが、落ちてしまいました。その後しばらく何もせず、10月にまた再開しました。その時には、秋田県はもう諦めて、東京で働こうと考えるようになっていました。そこで、その頃使っていたPerlが使え、まだ採用募集をしていている東京の会社を探したのです。

検索して一番上に出てきた会社が、その後就職することになるクレイフィッシュでした。学生時代にプログラミングを経験していたのが良かったのか、無事合格しました。人事の方いわく、「遠くから来ているから何度も来させるのがかわいそうで合格にした」ということでしたが(笑)。

Q.一社目はどんな会社でしたか?

ホスティングの会社だったので、サーバの設定などを行うコントロールパネルの制作などの仕事をしていました。

ここでは、とにかく人に恵まれました。その頃会った先輩などにはとてもよくしてもらい、技術的なことはほとんどこの頃に学びました。社風としては、「THE ベンチャー」という会社です。最高6日連続で徹夜したりと体力的には辛かったですが、同時にとても楽しかったですね。プログラミング言語について情報交換をするコミュニティの存在を知り、会社の先輩に連れていってもらったのもこの頃です。

忙しくはありましたが、毎日が文化祭の前日みたいな雰囲気で、活気があり自分にとってはとても良い環境でした。ただ、上場をきっかけに社風が変わってしまい、メンバーがどんどん辞めていく中、悩んでいたところ、当時知り合いが勤めていた別の会社から誘いを受け、そこに転職をしました。

Q.一社目と二社目では、どんなところが違いましたか。

まず仕事内容が違い、一社目は自社開発でしたが二社目は受託中心でした。また、一社目は大規模なシステムだったので、システムを考える人は別にいて、基本的に僕は言われた通りに作るだけでした。二社目は比較的小さな規模のシステムだったので、全て自分でできたのが面白かったですね。一社目ではただがむしゃらに働いていただけでしたが、二社目では自分で考えながら働けるようになっていました。

ただ、一社目は社風や先輩が良すぎたので、二社目はその意味では不満がありました。その会社は、上場を目指していて、全てが「上場のために必要」という行動原理で動いていたので、本質的に必要な事がなされていなかったり、改善提案も聞き入れてもらえないことも多々あったり、上場のために変わってしまった会社を経験しているだけに、だんだんそこに不安と不満を感じることが多くなりました。上場が悪いわけではないですが、本当に必要なことをやるべきではないか?その頃から、「会社ってなんだろう?」と考えるようになりました。
また、エンジニアは個人で活動することを推奨する社風もあったため、技術面でも会社として統一されたものはなく、開発者ごとにやり方が違っていました。

お互いに切磋琢磨できる同じマインドを持った人たちと仕事をしたい!

Q.転職後も社外の勉強会には参加されていたのですか。

社外の勉強会にはずっと参加していました。二社目にいた頃には、複数のコミュニティに誘われたり、人前で発表したりする機会が増えました。ただ、中には勉強会ではなく飲み会のコミュニティもあり、物足りなさも感じ始めていました。そこで「僕らの世代で本当に面白い会を作ろう」ということになり、当時の会社の所在地である渋谷で勉強会中心のコミュニティの立ち上げを手伝いました。集まってきたメンバーが面白く、お互いに切磋琢磨していこうという姿勢が魅力的に映りました。勉強会に参加するうちに、「同じマインドを持った人たちと仕事をしたい」と考えるようになったのです。

決断の決め手は従業員数が8名。入社後、メンバーも加わり、マネジメント側へ

Q.そんな想いを持たれた後、モバイルファクトリーに転職されたわけですが、転職の理由を教えてください。

当時は技術面で惹かれた他社に入りたいと思っていました。しかし、一社目で上場というものによい感情を持っておらず、二社目は社員数が多かったせいか動きづらかったので、少人数でばりばり働ける会社がいいのではないかと考えるようになりました。そんな時、モバイルファクトリーの採用募集を見かけたのです。

mob_photo2技術系MLで同社の役員とやりとりをしたことがあり、同じ社内に技術系MLのような社外の人との交流の場に参加する人がいること自体に魅力を感じました。決め手は、社員がまだ8人しかいなかったことでした。また、当時僕が興味を持っていたWebフレームワークを使っているというのも魅力的でした。
入社時は、技術者は僕を含めて3人でした。ただ、人数は少ないものの、逆に自分で考えて仕事が進められるので、昔に戻ったようで面白かったですね。

Q.モバイルファクトリーでは入社後どんな仕事をされたのですか?

入って約半年後、当時の取締役の方が退職され、僕が技術者のトップになりました。一年くらいは公式サイトをいくつも立ち上げていたのですが、僕以外の技術者は経験があまりなかったので大変でしたね。そこで、Perlのコミュニティで出会った人たちを呼び、メンバーに加わっていただきました。

メンバーが増えたため、僕はマネジメント職になって全体をコントロールすることを中心にすることになり、現場を離れることになりました。技術に秀でたメンバーがたくさん集まったため、自分一人では作れなかったものが作れた時は嬉しかったですし、新たな発見も多かったですね。
システムの大きさや開発スピードなど、一人ではとてもできないものを、人がたくさんいると、各自が得意なところを担当することで、効率よくクオリティの高い出来に仕上がることを学びました。

現在は、開発人員は約10名で、リーダーも2、3名います。リーダーが直接作業を見て、僕はリーダーから報告を聞いています。

『エンジニアが開発しやすい環境を創りたい!』そんな想いから生まれた様々な取り組み

Q.技術者のトップとして気をつけられていることはありますか?

エンジニアのメンバーが開発に集中できる環境作り、メンバー同士が協力できる環境作りに相当力を入れていますね。
たとえば、作業の途中で話しかけられると集中が途切れてしまい、話が終わってもすぐに作業が再開できず効率が甚だしく落ちてしまいます。そこで、集中して作業できるようにオフィスを離れて合宿をしたり、他の部署の社員からも直接話しかける前にまずはIRC(ネットワーク上でリアルタイムにチャットできるシステム)を使ってワンクッション置くフローにしました。

部署のレイアウトも、メンバーが働きやすい環境を考えて変えることが多いんです。まだ「これだ!」というものが見つからないので、試行錯誤している最中なんですけれどね。

その他、基本的に毎日“コードレビュー”という勉強会を実施しています。コードレビューの良いところは、良いコードを見ると勉強になりますし、全員がどんな時にどうすればいいのか同じ意識を持てるようになるのがいいですね。コードレビュー以外にも、エンジニア向けのカンファレンスに出た感想を共有することもあります。

また、お互いがどういった仕事をしているか知るためにも、それぞれのメンバーがその年一年間に自分が取り組んだことを発表する「忘年会議」を毎年実施しています。この忘年会議の発表には全員のメンバーが相当力を入れて発表資料を作成しますので、発表を聞くのも楽しいですし、勉強にもなりますね。そんな細かいところまでこだわるかという発表をする社員もいます(笑)。

こういった取り組みを思いつく背景には、一社目と二社目の経験が役立っています。過去に感じていた違和感をなくしたいと考えて様々な取り組みを実施していますね。モバイルファクトリーは、こうしたいと思ったことが実現できるのもいいところです。

Q.様々な取り組みを実践されていますね。その他、モバイルファクトリーの環境で特徴的なことがあれば、教えてください。

エンジニアのメンバーは帰る時間が早いということですね。おそらく全社的に見てもエンジニアメンバーが一番帰る時間が早いと思います。定時は6時半ですが、7時半にはほぼ全員帰っています。定時までの間でできるのはどれくらいの仕事量なのかを把握し、その中でできる仕事内容になるよう調整すれば、時間内にできるはずなのです。

個人的には、プライベートの時間も大切にしてもらいたいと思っています。例えば、遊びで始めた技術から実際に仕事で活かせる技術を見つけることもあります。また、過去の私のように空いた時間に社外の勉強会などに積極的に参加するのはいいことだと考えています。

「右手に技術、左手にポリシー、心に愛」

Q.どんな人にモバイルファクトリーのエンジニアとして来てもらいたいですか。

とにかくプログラミングが好きな人ですね。できるできないではなくて、好きかどうかが一番大事です。実際、うちのメンバーはみんなプログラミング好きなので、早く帰宅しても家でプログラミングしている人も多いみたいです(笑)。

それから、指示を待つのではなくて自ら主体的に動ける人がいいですね。教育体制はまだ整っていませんが、聞いてくれたら何でも教えるだけの準備はあるので、自ら成長しようという意志がある人なら間違いなく成長できる環境はあると思います。

Q.「右手に技術、左手にポリシー、心に愛」という言葉を大切にされているそうですね。

そうなんです。私自身もどこかのカンファレンスで聞いた言葉なんですけどね。技術だけあってもポリシーなく作るのではダメです。また、「自分のポリシーに反するからやらない」のは一見ありに見えますが、お客様の希望を実現させてこその技術だと思うのです。たとえポリシーに合わなかったり技術的には今ひとつでも、お客様に説明して思う方向に持っていきつつ希望を実現させる方法もある。つまり、思いやりとか、相手の立場に立って考えるという意味です。これが、「愛」。ちょっとクサイけど。どれが欠けてもダメで、すべてが必要だと思っています。

独りよがりではなくみんなのことが考えられるエンジニアに

Q.エンジニアになりたい学生の皆さんへ一言お願いします。

僕は、なるべく好きなことを仕事にできた方が幸せだと思っています。もし将来に悩んでいたら、自分の好きなことを突き進めてみたら仕事になるかもしれません。妥協せずにやってみたらいいのではないでしょうか。

mob_photo3ただ、エンジニアは自分が作りたいものだけを作っていてはダメで、色々な経験をすることで新たな視点が身に付いたりします。嫌なことから逃げるのは簡単ですが、それでは自分の限界がすぐに来ます。
自分が考えるいい環境は自分だけにとっていいのか、それともみんなにとっていいのか、いい環境にするためにはどうしたらいいのか。
自分が作ろうとしているものが単なる独りよがりのものになっていないか、会社の枠を越えて世界の人たちの生産性を上げるためのものにするにはどうすればいいのか。
より良くできるものはどんどん良くしていけばいいのです。

あとは、余談ですが、エンジニアになりたいと思っているなら、ぜひ様々なところで行われている技術の勉強会やコミュニティに学生のうちから参加してほしいですね。学生は勉強会にあまり参加していないので、参加するときっとエンジニアの先輩たちに歓迎されると思いますよ。


Q. 最後になりますが、木村さんが今後取り組みたいことを教えてください。

今のモバイルファクトリーは、社員数が約50名と、規模が大きくなってきています。昔とは違い、このくらい規模が大きいのも面白いと感じています。昔は「上場する会社になんて入るか」と思っていましたが、今はそういう気持ちはなく、自分が思っている正しいことをして、上場できるかどうかを試してみたいですね。

サービスとしては、ソーシャルアプリに可能性を感じています。実際、現在エンジニアの半分以上がソーシャルアプリ開発に携わっている状態です。

そして、純粋に技術の勉強がしたいし、切磋琢磨していきたいです。正直、役職仕事は程々にして、プログラミングにもっと専念したい気持ちもありますね(笑)。


インタビューにエンジニア志望の学生も同席!学生から木村さんに質問をしました。

Q.今日は特別に、エンジニア志望の学生Mさんが質問をしに来てくれています。Mさんにまずは木村さんから質問がありました。

木村:今日はなぜ参加しようと思ったのですか?

M:僕自身がWassrユーザーで、その運営会社に元々興味があったからです。

木村:そうだったんですね。Wassrの使い勝手はいかがですか。正直な感想でいいですよ。
M:Twitterと違い返信元の発言が表示されるため、話の流れが分かりやすく、会話が活発になるところが気に入っています。会話が活発になるとお互いの人となりが分かりますから、Wassrの方が、Twitterなどに比べてユーザー同士親しくなりやすいですね。

木村:ありがとうございます。嬉しいですね。

M:僕は大学院で情報工学を学んでいます。現在はエンジニアになろうかと考えているのですが、木村さんはもしエンジニア以外だとしたらどのような仕事を選ばれたと思いますか。

木村:絶対に何かを創り出せる仕事がいいですね。たとえば、民族工芸品を作るところなど、跡取りがないところにいって作るのは面白いかなと思ったことはあります。でもやはりエンジニア以外は考えにくいですね(笑)。

M:ありがとうございます。最後にユーザーとしての質問なのですが、Wassrは今後どう変わるのでしょう。収益化していくのですか。

木村:Wassrでのやりたいことリストがあるんです。表向きの機能は変わっていないように見えますが、負荷分散などの見えない部分は変わっているんですよ。「顔ちぇき!」などとうまく組み合わせて収益化していきたいですね。Wassrは、今すぐ収益に結びつくものというより、他の事業で活かすために技術的なトライアルをする場としても使うことが多いです。たとえば、データベースの分散などの実験に使ったりしており、技術的には面白いサイトだと思いますね。社内システムでもWassrのAPIをつかっていたりするんですよ。

M:そうなんですね。本日は、普段の説明会では聞けないお話を聞くことができました。ありがとうございました。

 
社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月1日
代表
代表取締役 宮嶌 裕二
事業内容
モバイルコンテンツ運営事業
メディア事業
ソリューション事業
ソーシャルアプリ事業
従業員
51名(2010年1月末時点)
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